犬のパルボウイルスの症状

犬のパルボウイルスの症状

犬パルボウィルスは、犬が最もかかりやすい病気のひとつでありながら情報がまだとても少ない病気です。この病気の症状がどんなものかを知らなかったら、診断を誤ったり、よくある胃腸の感染症と勘違いしてしまうかもしれません。このウィルス性の病気は、成犬にとって重病になりえ、子犬にとっては死に至る可能性のある病気です。特に生後数ヶ月以内の仔犬は免疫機能が弱いので感染しやすいのです。この病気について、あなたの色々な疑問に答えるべく、ここでは犬のパルボウィルスの症状について説明します。

犬パルボウィルスとは?

犬パルボウィルスは、タイプ2型のウィルス(パルボウィルスと呼ばれます)によって引き起こされる重い感染症で、胃腸の機能や赤血球に悪影響を及ぼします。さらに、重症の場合または仔犬が感染した場合は筋肉硬直を引き起こす可能性があります。最近になって発見された病気なので、まだこの病気についての情報が少なく、生存率はとても低いです。特に大便などの排泄物を通じて感染するので、犬の80%がどこかしらでこのウィルスに接触しているものと考えられています。

このウィルスは抵抗力が非常に高く数ヶ月も生存し続けるので、あなたの犬がもしも感染してしまったら、感染した排泄物や嘔吐物が付いた床やフードボウルなどを正しく殺菌消毒することがとても重要です。通常の洗浄剤や消毒剤ではウィルスを十分に取り除くことは出来ないので、塩素消毒剤や、漂白剤を混ぜた水といった、より効果的な製品を使うことをお勧めします。

パルボウィルスはどうやって感染する?

あなたの犬がこのパルボウィルスに感染しているかどうかを知るためには、この病気がどのように感染するのかをまず知っておく必要があります。犬パルボウィルスは、生後6か月未満の子犬、成犬、老犬、そしてワクチン接種や寄生虫駆除をしていない犬に感染しやすいものです。ですから、寄生虫駆除をし、ワクチンを接種することが、この病気の予防には不可欠です。他の原因としては、ストレス、腸の寄生虫、多頭飼い、気力の低下などが挙げられます。ドイツシェパード、ドーベルマン、ピットブル、ロットワイヤーなどは、他の犬種よりもパルボウィルスにかかりやすい犬種です。

犬パルボウィルスは感染性が非常に高く、急速に拡散し、ウィルスが口に入ることで感染します。感染した糞、床、フードボウル、人の靴との接触、また、感染している母親の母乳から子犬へも感染します。また感染した糞を踏んでしまったり、感染している犬と接触したり、齧歯類の動物(ハツカネズミやリスなど)の糞と接触することでも感染します。

犬パルボウィルスの症状は?

犬パルボウィルスは、感染した場合症状が現れるのに3~4日かかることが多く、その症状は感染した体内の機能によって違ってきます。あなたの犬がパルボウィルスに感染したかどうかを知るためには、犬の症状をよく注意して観察する必要があります。

パルボウィルスが胃腸の機能に影響した場合の症状は以下の通りです・

・発熱(これは最初に現れる症状です)

・元気がなくなる

・呼吸をするのが苦しそう、息切れしている

・家族を遠ざけひとりになろうとする

・食欲不振

・泡を伴う嘔吐

・強い臭いを発する血を含んだ下痢

・嘔吐と下痢による脱水症状

パルボウィルスが心臓の筋肉組織に感染した場合は、前述の症状に加え、呼吸困難、吐き気、といった症状も含みます。また、子犬に感染した場合や重症の場合は、心筋炎の症状が出ることもあります。パルボウィルスが子犬の心機能に影響した場合、免疫機能が弱いため、突然死するケースが多いです。

犬のパルボウィルス感染症の治療

もしもあなたの犬や子犬が前述のような症状を示したら、迷うことなく動物病院に連れて行き詳しい診断をしてもらってください。パルボウィルスに感染していると分かったら、即座に治療を開始しなければならないのです。ただし最近発見された病気なので、この病気に対する特効薬がないのです。獣医は、脱水症状と電解質の異常を抑え、また、感染の拡大を予防するために嘔吐と下痢を抑える治療をまず行ないます。完治するまでは他の犬と接触させてはいけません。

パルボウィルスの感染を予防するには?

パルボウィルスへの対処法として一番大事なのは「予防」です。あなたの大事な犬がパルボウィルスに感染しないようにするためには、獣医が指定する通りワクチンをきちんと接種し、寄生虫を駆除し、犬の周りだけでなく犬自身も清潔にしてあげて、犬のフードボウルを頻繁に洗い、ネズミなどの齧歯目の動物が近づけないところにドッグフードを保管することが基本です。

注意しなければいけないのは、ワクチン接種を受けるまでは、他の犬と接触させないことと、外に出さないことです。また、子犬は母乳を通してこの病気に感染する可能性があるのですが、ウィルスがワクチンに抵抗するため、感染に気付かないままウィルスが体から除去される可能性があります。つまりウィルスは糞に溶け込んで糞と共に排出されてしまうということです。ですから子犬が自身の糞尿に接触することがないようにしないといけません。

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アドバイス
  • この病気の治療中は、食器・ハウスなどペットの道具をすべて適切な方法で殺菌することが不可欠です。